「○○プラセンタ配合」という化粧品や「美容整形」でプラセンタをオススメしてくれる病院が増えていますが、アナタはこのプラセンタがどのように効果があるのか、しっかり理解できていますか?
殆どの人が「なんとなくプラセンタが肌にいい」という理由で使っています。プラセンタは種類と使用方法によって効果の強さや副作用などが違います。
一度プラセンタについて復習してみましょうる
そもそもプラセンタって何だろう?
知っている方も多いでしょうが、一度プラセンタとその役割について確認をしましょう。
プラセンタとは胎盤のこと。胎盤を英語で発音すると「placenta」になります。
胎盤と言えば、哺乳類がお腹に子供を宿した際にへその緒を通して栄養などを赤ちゃんに送る為の気管ですね。
お母さんと子供が胎盤を通さず直接へその緒に繋がっていた場合、「お母さんが風邪を引いた」「赤ちゃんとお母さんの血液型が違う」「お酒やたばこをした」といった状態になると胎児はスグに死んでしまいます。
胎盤はお母さんから必要な栄養や酸素だけをもらい、余計なモノはシャットダウンする為のフィルターとして役立っているんですよ。
なので医学的には「胎盤は赤ちゃん側の臓器」として扱われています。
胎盤のフィルター効果は完璧ではありません。妊娠中はお酒やたばこは控えるべきです。
日に日に成長する赤ちゃんなので、常に新鮮で豊富を送らないといけません。なので胎盤には細胞分裂や成長に必要な成分やホルモンが常に豊富なんですよ。これがプラセンタでお肌の状態が良くなる理由です。
胎盤は赤ちゃんが出産されて数時間~数日後にドサッと子宮から排出。多くの動物は排出された胎盤を「栄養補給目的」で食べてしまいます。胎盤には非常に多くの栄養が詰まっているのですよ。
プラセンタの種類とメリットデメリット
「プラセンタ配合」といっても、様々な種類が存在しています。
最近使用されているプラセンタの種類は「ヒト」「動物性」「海洋性」「植物性」の4種類。
ヒト由来のものは「ヒト」のものを。
動物性のものは「馬」「豚」「羊」。
海洋性のものは「鮭」
植物性のものは「大豆」「大麦」が主に使用されています。
それぞれどんなメリット・デメリットがあるのか?
原料別に簡単に説明しましょう・
【ヒト由来】ヒトプラセンタ
ヒト由来のプラセンタは医薬品に該当する為、病院か個人輸入で入手するしかありません。
美容として注射・サプリとして服用することでお肌にハリとツヤが生まれるほか、様々な病気の治療として利用されています。
これはヒトと全く同じ細胞が使用されている為、体内での活用率が最も高いから。細胞分裂も活発になるので健康的な状態に戻りやすくなります。
年 齢 | 症 状 |
---|---|
0~10歳 | アレルギー疾患・夜尿症 |
10~20歳 | 発育不全・虚弱体質・近視・しもやけ・アレルギー疾患・思春期心身症・にきび・貧血・若年性糖尿病・若年性心臓病 |
20~50歳 | 偏頭痛・低血圧・早漏・自律神経失調症・十二指腸潰瘍・痔・過敏性腸症候群・若年性脱毛症・円形脱毛症・インポテンツ・射精不能・無気力症候群・心身症・胃潰瘍・慢性胃腸炎・精力減退 |
50~60歳 | アルツハイマー性痴呆症・前立腺肥大・尿路結石・慢性関節リウマチ・肝臓病・肝硬変・糖尿病・高脂血症・痛風・癌・高血圧・心臓病 |
60歳以上 | 皮脂欠乏性湿疹・神経痛・脳卒中 |
引用元:吉田医院・吉田百年橋クリニック
これらの治療に関しては保険がおりますが、美容目的での使用は保険適用外なので注意。
また、一度ヒトプラセンタエキスを注射すると献血も出来なくなります。
美容目的で使用した場合、シミ、そばかす、シワ、ハリ、肌荒れ、ニキビ、美白効果などが改善できます。
真皮の繊維芽細胞に直接働きかけ、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の生産が促進され、シワが浅くなる
表皮細胞の分裂が促進されて、メラニン色素が排泄されてシミも薄くなる
最も大きなデメリットとして、個人輸入でヒトプラセンタを入手した場合、副作用が起きても救済処置はありません。個人輸入で入手したものは偽物だったり劣悪な環境で作られた可能性があり、感染症の可能性が非常に高まります。
日本で作られているヒトプラセンタ商品は「三重のチェック体制」「製薬会社が衛生具合をチェックして製造」しているので安心してください。その代わり、価格は高くなってしまいます。安全と価格は比例しているのですよ。
ヒトプラセンタはメリット・デメリットをしっかり理解したうえで使用しましょう。
【ヒトプラセンタのメリット・デメリットまとめ】
- 医薬品なので最も効果が期待できる
- 使用目的次第では保険適用
- 高い
- 一度使用すると献血が出来なくなる
- 個人輸入で入手したものは様々なトラブルの可能性がある
【動物性】ウマプラセンタ
馬プラセンタはヒトを除いたプラセンタの中で最も効果が期待できます。
馬の懐胎期間は人間よりも長い11か月ほど。そのため、胎盤にアミノ酸などの栄養が多く集まります
結果、馬プラセンタを使うと肌を潤いツヤツヤにしてくれるのです。
動物性に共通している効果として、哺乳類の成長因子による肌の修復効果も無視できないメリット。
欠点ですが、年に1回、1頭のみの出産なので数が揃えにくい。つまり高価格になってしまう。
使用している馬プラセンタの品質にも効果に差が表れやすいというデメリットもあります。未熟児や堕胎してしまった場合でも胎盤はできますが、十分な栄養が胎盤にない為に効果を実感できません。
販売サイトをしっかり見て、高品質のものをしっかり見極めましょう。
【馬プラセンタのメリット・デメリットまとめ】
- ヒトを除くと最も効果が高い
- 動物性なので哺乳類の成長因子による肌の修復効果が期待できる
- 品質によって差が現れやすい
- 出産回数が少ない為に価格が高い
【動物性】豚プラセンタ
豚プラセンタは日本のプラセンタで最も多く利用されています。理由は2つ。一度の出産で10頭ほど産む、年に2~3回の出産が可能なのでプラセンタが確保しやすいから。
馬プラセンタほど品質は高くないですが、長く使い続ければしっかり効果が出ます。
馬と同じで哺乳類の成長因子による肌の修復効果があるので肌がきれいになりやすいです。
欠点として、豚プラセンタはアレルギーが(他の動物性に比べて)アレルギーが出やすい。これを抑える為にSPFという「特定の病原体をもっていない」豚を使ったプラセンタも販売をしています。価格が上がってしまいますが、アレルギーが気になる方はSPF豚の使用をオススメします。
【豚プラセンタのメリット・デメリットまとめ】
- 動物性プラセンタの中で最も安価
- 動物性なので哺乳類の成長因子による肌の修復効果が期待できる
- アレルギーが発生する可能性がある
- SPF豚を使用すればアレルギーが発生する可能性が抑えられるが価格が少し高くなる
【動物性】羊プラセンタ
羊プラセンタは現在日本では販売されていません。
昔は羊プラセンタも使用されていましたが、「スクレイピー」という狂牛病によく似た病気に犯されている可能性があるので、感染拡大を予防する為に禁止されています。
「病気じゃない羊を使えばいいんじゃない?」
という疑問を抱く人もいるでしょう。スクレイピーは羊によっては症状が一生現れない事も多いのです。なので知らず知らずのうちに紛れ込んでいる可能性も・・・。
羊プラセンタの効果としては豚より栄養が豊富、肌の修復効果が高い。肌の浸透効果が動物性の中で一番高い。動物性の中で一番アレルギー反応が起こりにくい。
もし、スクレイピーの問題がなかったなら動物性の中で一番ではないでしょうか。
【羊プラセンタのメリット・デメリットまとめ】
- 動物性なので哺乳類の成長因子による肌の修復効果が期待できる
- 浸透力が一番高いので効果を実感しやすい
- 動物性の中で最もアレルギーが起こりにくい
- 人がスクレイピーという病気に感染しないように日本では羊プラセンタは販売していない
※今の所スクレイピーが人に感染したという報告はありません。
【海洋性】鮭
本来魚にはプラセンタはありません。例外的に鮫にある程度です。
では何を使っているのかというと、卵に包まれている卵巣膜という部分。プラセンタと卵巣膜の役割が似ているので、販売会社が「海洋性プラセンタ」とアピールしているのです。
一般的に使用されているのはサケの卵(イクラ)。
動物性よりアミノ酸やコラーゲン、ヒアルロン酸が豊富で、吸収率が高い、アレルギーの可能性がかなり低いのが特徴。
一方、動物性因子がないので肌の修復効果が期待できません。
肌に対する栄養補給に特化しているので、人によっては効果が実感できない可能性があります。
【鮭プラセンタのメリット・デメリットまとめ】
- アミノ酸やコラーゲン、ヒアルロン酸が豊富
- 動物性と比べ吸収率がいい
- アレルギーの可能性がかなり低い
- 動物性因子がないので肌の修復のサポートができない
【植物性】大豆・大麦
最近は植物性プラセンタというものもでてきました。
もちろん、植物に胎盤はありません。「胎座」という植物のめしべの根本にある、種を包んでいる部分が植物のプラセンタになります。胎座も胎盤も英語にするとプラセンタなので理にはかなっています。
胎座の場所が一番わかりやすいのがメロン。
半分に切ったメロンは真ん中に種が集まっていますよね。この部分が胎座です。
植物性プラセンタで多くしようされているのが「大豆」と「大麦」。
アミノ酸が多く含まれている、アレルギーの可能性が低いのが特徴ですが、肌の修復効果がないので、大きな効果は期待できません。
【植物性プラセンタのメリット・デメリットまとめ】
- アミノ酸が多く含まれている
- アレルギーの可能性がかなり低い
- 動物性因子がないので肌の修復のサポートができない
どのプラセンタが一番オススメなの?
ではどのプラセンタを使えばいいのでしょうか?
オススメ順に並べてみました。
【安定したプラセンタの効果が期待できる順番】
- ヒト(病院から処方されたもの)
- 馬(高品質)
- 豚(SPF)
- 豚
- 馬(低品質)
- 海洋性
- 植物性
- ヒト(個人輸入:使用非推奨)
※羊は使用が出来ないので除外
最も確実に効果を実感したいなら間違いなくヒトプラセンタがオススメ。
病院で処方、処置されたものは品質・対応がしっかりしているので、確実な美容効果が得られます。
ただし、入手方法は限られているので、実質的に一番オススメなのは馬プラセンタ。特に高品質なものが一番。ただ、これを見極めるのは中々難しい。
安定しているのは豚プラセンタ。アレルギーが出ないなら安価で確かな効果が得られます。
海洋性・植物性は豚プラセンタを使用して副作用が出たら使用する程度でかまいません。
お財布と自分のお肌に合わせてヒト・馬・豚のプラセンタを使い分けるといいですよ。
注射・サプリの違い
プラセンタの使用方法には病院で注射して直接注入する、サプリメントとして取り入れる方法の2種類があります。
この注射とサプリメントの効果の違いは何なのでしょうか?
注射のメリット・デメリット
プラセンタを注射する最大のメリットは、成分が100%肌に行きわたるという点でしょう。
ヒト由来のものを注射するので高い効果があります。実感スピードも1ヵ月ほどとかなり早い。
欠点としては「金額が高い」「通院が必要」「医療ミス」。
金額についてはヒトプラセンタの説明でも解説しましたが、厳重に管理して製造されているので価格がどうしても高くなります。
美容目的の場合、最低でも1回1万円のところが殆ど。週に1~2回の通院も必要なのを考えると、月に最低4万は必要に。
病院によっては医療ミスなどのトラブルが起きてしまう可能性も。一度医療ミスが起きた場合、その傷を一生背負ってしまいます。手術でプラセンタを注射する場合は必ず病院の評判を調べましょう。
トラブルが起きた場合は日本美容外科学会の相談室に相談すると真摯に対応してもらえます。
<注射のメリット>
- 1ヵ月ほどで効果が実感できる
<注射のデメリット>
- 金額が高い
- 通院が必要
- 深刻な医療ミスやトラブルの可能性
サプリメントのメリット・デメリット
サプリメントのメリットは「動物として本来の使い方」「トラブルが簡単に改善できる」があげられます。
「プラセンタって何だろう?」でも述べましたが、元々プラセンタは食べるのが基本。人間だって胎盤を食べる文化がある地域がありますし、漢方としても使用されています。
サプリメントとして使用するのは動物として正しい使用方法なんですよ。
仮にプラセンタサプリを服用し副作用が起きたとしても、服用をやめれば症状が改善することが殆ど。
費用も月に2000円~6000円程度と注射より圧倒的に安いのも魅力ですね。
欠点としては「効果に確実性がない」点。サプリは成分がいったん吸収された後、一度組み替えて肌の改善に役立てます。体がしっかり活用するまで時間がかかる上に、使用しているプラセンタによっては効果がない場合も多いです。
更年期などの症状を抱えていた場合、プラセンタ成分がそちらを優先してしまうのも実感スピードが遅い要因に。とはいえ、体の調子が良くなるのは長期的に見ればメリットになります。
<サプリのメリット>
- 1ヵ月辺りの価格が安い
- トラブルが簡単に改善できる
- 体の調子を整えてくれる
<注射のデメリット>
- 効果の実感が遅い
サプリと注射はどちらがいい?
注射とサプリ。どちらも一長一短。予算があり、近くに腕のいい病院があるなら注射が最も効率がいいです。更年期などを抱えている場合も注射がオススメ。
予算がなかったり、健康にも気を使いたい方はサプリメントになりますね。
私個人としては「サプリメントの使用」をオススメしています。
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